極東ミリタリー情報館

主にあまり軍事関連に詳しくない人へ様々なミリタリー関連ニュースを分かりやすくお伝えします。

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F35

中国空軍、遂にステルス戦闘機J20を実戦配備!その実力とは!


産経新聞の報道によれば、中国空軍は国産開発のステルス戦闘機J20を実戦配備したということです。しかし、ほとんどJ20についての情報は公開されておらず、出回っている性能情報などは専門家の憶測の域を出ません。

この記事では、少ない情報の中、J20の実力について見ていきましょう。

J20とは?


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J20

J20とは、中国航空工業集団公司が開発した第5世代のステルス戦闘機です。アメリカのF22ステルス戦闘機を意識して開発され、一部ではF22を上回る性能を持つとの評価もあります。

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F22


機体は全長22.127m・双発エンジンで、戦闘機としてはかなりの大型機となります。また、カナード翼を備えており、高度な機動が可能な他、空対空戦闘のみならず対艦対地攻撃も可能とされていて、いわゆるマルチロール機に分類されます。

レーダーはF2戦闘機と同じAESAレーダーで、コックピットはグラスコックピット、操縦系統は、フライバイワイヤとされています。

このように、かなり洗練された機体となっており、極めて優れた戦闘能力を持つものと思われます





第5世代戦闘機と第4世代戦闘機 


前述の通り、J20は一部の人たちが言うようなポンコツではないということは明白です。
特に、従来の第4世代戦闘機(F15Jなど)では歯が立たないでしょう。


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F15J


第5世代戦闘機と第4世代戦闘機の最も大きな違いはステルス性能です。第5世代戦闘機の前では、第4世代戦闘機は敵機を見つけることもできずに、一方的に相手に打ち負かされてしまう可能性が高いのです。


J20は強いのか?



○まずは、J20の良い(と思われる)点を挙げていきましょう。


・超音速巡行が可能であること。

J20は超音速巡行が可能とされています。一方でF35は超音速巡行能力が無く、その点ではJ20がF35に勝っています。

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F35


・様々な任務が可能であること。

F22は空対空戦闘能力を第一に設計されましたが、J20は対艦対地攻撃も可能で、任務の幅は広がります。ただし、F35は対艦対地攻撃能力も有しています。

・機体が大きいこと。

これは長所にも短所にもなり得る点ですが、ここでは機体が大きいことから来る長所を挙げます。まず、兵器搭載量が大きいことです。当然、沢山の武器を携行できればそれだけ有利となります。次に、機体の機能拡張が容易であることです。機体が大きければ、随時機能を拡張し易くなります。



○それでは、次にJ20の劣っている(と思われる)点を挙げていきましょう。



・機体が大きいこと。

前述の通りJ20は全長約22mと、かなりの大型機です。ちなみにF22は約19m、F35は約15mです。機体が大きくなれば当然、レーダーに映り易くなってステルス性能は低下する傾向にあります。

・カナード翼が付いていること。

一般に、カナード翼はステルス性能に悪影響を与えると言われています。このことは、アメリカの実験機X29で実証されたとも言われています。


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X29実験機


・推力偏向パドルがないこと。

F22にはエンジンの排気の向きを強制的に変えることで、高度な機動を実現する推力偏向パドルが装備されていますが、J20にはありません。

・エンジンに欠陥のある可能性があること。

もともと、中国は戦闘機のエンジン開発に苦労していました。これまでの中国の国産戦闘機に搭載されたエンジンは、ロシアから輸入したものか、ロシア製エンジンをリバースエンジニアリングでコピーしたものばかりでした。
従って、J20のエンジン性能に疑問を持つ専門家も多くいます。さらに、航空ショー「国際航空宇宙博覧会」でJ20が披露された際に、エンジンから黒煙を吐き出していることも確認されています。


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黒煙を吐き出すJ20
  


このように、様々な長所や短所が指摘されるJ20ですが、少なくともF15やF16といった第4世代戦闘機より優れていることは確実です。


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F16


しかし、現状ではF35やF22と比較すると、優劣はつけ難いのではないでしょうか。ただ、実戦配備されたJ20の情報が少しずつ明かされてくれば、いずれどちらが優れているのか分かるようになるはずです。




まとめ


現状ではJ20の情報がほとんど出回っておらず、詳しいことは分かりません。しかし、1つ言えることは相手を見くびってはならないということです。
どんな事案にも対応できるように、防衛力を磨かなければなりません。



護衛艦いずもは"空母"となるのか?F35Bを運用可能な「多用途運用母艦」へ改装!


追記:2018.11.28
護衛艦いずもの"空母化"がほぼ決定されました。

「【速報!】護衛艦いずもの空母化(F35B搭載)がほぼ決定!」


追記:2018.12.6
護衛艦いずもの甲板を改装、F35Bが運用可能な「多用途運用母艦」へ改装することが決定しました。



(記事本文)
近年、しばしば注目される"いずも"。
海上自衛隊最大のその艦体は、全長248m、基準排水量19500t、満載排水量27000tを誇ります。

全通甲板を有し、空母のような外観のために空母化を議論されることも多いいずも。
この記事ではいずもの空母化について考えます。
1200px-DDH-183いずも型護衛艦



いずも型護衛艦とは?


いずも型護衛艦は海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)で、いずも(DDH183)と、かが(DDH184)の2隻が就役しています。

前級のひゅうが型護衛艦をもとに、大幅にサイズアップして建造されました。

いずも型護衛艦は、ひゅうが型護衛艦に比べると武装がかなり削られており、より航空運用能力に重点を置いた艦だと言えます。


いずも型護衛艦の役割とは?


いずも型護衛艦は、主に対潜哨戒ヘリを多数運用可能な対潜空母としての役割と艦隊の司令塔のような役割を担います。さらに有事の際にはヘリコプターだけではなく車両や兵員を大量に輸送な可能な上、医療設備もひゅうが型と比べて大幅に拡充されており、より実戦を意識した作りになっているのです。


いずも型は"空母"なのか
 

ここでは空母を「本格的な戦闘機を運用可能な航空母艦」と定義することにしましょう。結論から言うと、今のままのいずもは"空母"とは言えません。外見は空母に似ていても中身はかなり異なっているからです。
まずはいずも型護衛艦と空母(ここではアメリカ海軍の空母ロナルドレーガン)を比較してみます。


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ロナルド・レーガン

排水量

排水量とは簡単に言うと船の規模を表す指標です。ロナルドレーガンは10万600トンを誇るのに対していずも型は2万7000トンしかありません。

船体の長さ

ロナルドレーガンは333mあるのに対して、いずも型は248mしかありません。


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世界各国の航空母艦の比較。一番左がロナルド・レーガン、左から6番目の「22DDH」がいずも型。


カタパルト

空母から通常の艦載型戦闘機を発艦させるにはカタパルトが必要です。ロナルドレーガンではカタパルトを利用して戦闘機などを発艦させることが可能ですが、いずも型にはカタパルトはありませんし、そもそも日本がカタパルトを製造できるかも怪しい所です。

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アングルドデッキ

アングルドデッキとは、空母の甲板に斜めに引かれた着艦用飛行甲板のことです。これがあるお陰で航空機の空母への着艦を、よりスムーズに効率的に行うことが可能です。必ずしも必須のものとは言えませんが、現在ではある程度の規模の空母はほとんどがアングルドデッキを有しています。

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このように、本格的な正規空母とは様々な相違点もありますが、ある航空機の登場によっていずも型も空母として使用することが可能になりました。それは、F35Bです。


なぜなのでしょうか?




今までの常識を覆すF35B

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実は、今までもいずも型程度の(正規空母と比べて)小型の艦で運用可能な戦闘機のような航空機はありました。

ハリアーと呼ばれるそれは短距離離陸や垂直離陸が可能なため、カタパルトなしで空母よりも規模の小さい艦で運用できました。しかし超音速飛行ができない上、兵器搭載量が少なく、航続距離も短いため通常の戦闘機よりは劣るもの

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戦闘機と同じくらいの能力を持つ艦載機を搭載するには、どうしてもある程度の大きさがある艦が必要だったのです。

ところが、ハリアーと比べるとF35Bは大きく性能が向上しています。ステルス性能に加えて、極めて高機能な情報能力、超音速飛行が可能、兵器搭載量も増大、航続距離も伸びました

さらに通常の戦闘機とも互角に戦えるだけの能力を備えているため、いずも型程度の大きさの艦でもF35Bを搭載すれば空母と呼べるだけの能力を獲得可能であるとみられています。


F35Bは空母を大きく変えるかもしれない


前述の通りF35Bの登場によって今までよりも小型の艦で、カタパルトなどが無くても本格的な戦闘機を運用可能になりました。

このことは大きな意義を持つのです。

そもそも、正規空母は運用するだけでも莫大な経費がかかります。空母を運用するには空母だけがあれば良いのではないからです。

空母とは航空運用能力にステータスを全振りした艦なので、艦載機以外の攻撃手段はほとんど無いため、他の戦闘能力を持つ艦に護衛してもらう必要があります。

アメリカ海軍では空母1隻を運用するのに、10隻ほどの艦と艦隊を組んで空母打撃群(CSG)を編成します。CSGはミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、攻撃型原子力潜水艦、補給艦で構成され、空母は必ずCSGで行動します。



つまり空母を動かすには空母打撃群も動かす必要があるために莫大な経費がかかるのです。

その点、F35Bは正規の艦載機(F35C)よりかは航続距離や武装搭載量などで劣るものの、戦闘能力自体はほとんど変わりません。さらに、空母を1隻建造する経費で、いずも型程度の艦なら数隻は建造できます。

これらのことから、一部の専門家の間では、F35Bと空母より小型の艦で空母の代替となるのではないかと言われているほどなのです。


F35B搭載を考察する


2017年の末にマスコミ各社は一斉に「政府がいずも型護衛艦を改修してF35Bを搭載することを検討している」と報じました。後日、小野寺防衛大臣はこれを否定しましたが、「必要な検討は適宜行なっていく」としていて、含みを持たせた言い方をしています。

空母化のために護衛艦いずもを改修するとすればどこを改修する必要があるのか、さらにいずもに何をどれだけ載せればよいのか、そして改修したいずもはどの程度の能力を持つことが可能なのか検討していきます。

① いずもに艦載すべきもの

空母の主役が戦闘機とは言っても、戦闘機だけを載せるわけにはいきません。

・F35B
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・早期警戒機
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MCH101

・UH60J救難ヘリ
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・SH60対潜哨戒ヘリ
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少なくともこれらは必須です。早期警戒機とは強力なレーダーで敵をいち早く探知したり、味方戦闘機に指示を出したりする、言わば空中の司令塔です。早期警戒ヘリは自衛隊が保有していない装備ですが、現在海自が掃海・輸送ヘリとして使用しているMCH101ヘリコプターにタレス社製のシステムを搭載するだけで早期警戒機としての使用が可能となります。救難ヘリは、味方航空機が墜落した場所へ急行して味方搭乗員を救助します。対潜哨戒ヘリは敵の潜水艦を探知したり攻撃したりします。


② 空母化に必要な改修

艦首に設置されているCIWS(対空機関砲)を撤去する

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艦首のCIWSは、戦闘機の運用において障害となる恐れがあるので撤去するのが望ましいでしょう。

飛行甲板の耐熱性を向上する

F35Bはジェット戦闘機なのでヘリコプターとは違い、高温の排気ガスを噴出します。そのため、飛行甲板は耐熱コーティングを施す必要があるでしょう。しかし、一部では既に耐熱コーティングが施されているとの情報もあります。

艦首にスキージャンプ台を設置する

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必須ではありませんが、ジャンプ台を設置することでより多量の武器と燃料を搭載できるようになります。しかし、いずもの艦首には潜水艦探知に利用するバウソナーが設置されていて、これに加えてさらにスキージャンプ台を設置するのは艦のバランス上困難ではないかとの意見もあります。

③ F35Bを何機載せられるか

戦闘機以外のヘリコプターとの兼ね合いを考えると、8~9機、詰め込んでも12機が限度でしょう。


F35Bを約10機ほど詰め込むことに意味はあるのか

ここからは、私の意見となりますが、この行為自体にはあまり意味はないでしょう。F35Bは高価な機体ですし、いずもの改修・搭乗員の育成・その他必要装備の追加調達にはかなりの費用がかかります。
加えて、この程度の搭載機数では戦力としては極めて限定的です。
隣の共産国家とは違って日本の国防予算は限られています。同じ費用をかけるなら通常型F35の追加調達や、潜水艦の追加建造に使ったほうが防衛力増強という観点からは、良いはずです。
私たちに、中国と正面装備の軍拡競争では勝ち目はありません。



まとめ



お分かりの通り、いずも型護衛艦をある程度改修すれば「戦闘機を艦載する」という意味では空母にすることは十分に可能です。しかし、いずもの空母化はやはり、戦術的な見地からはあまり賢い選択とは言えません。
そもそも、空母とは本国から遠く離れた地域に戦力を投射するためのものです。遥か外国に攻め込むアメリカ・ロシア・イギリスなどの国とは異なり、日本は本土から遠く離れた地域で戦争をすることはありえません。例えば、尖閣諸島なら那覇基地から20分、北朝鮮でも小松基地から30分程度の距離です。政治的な意味合いを除いて、単純に戦術的な面だけで考えれば日本にとって空母は必要ではないのです。


もっと知りたい方へ


「空母いぶき」という漫画作品をご存知でしょうか?この作品、海上自衛隊の小型空母「いぶき」にF35Bを搭載して、中国軍に占領された与那国島を奪還するという内容なのですが、単なるファンタジーにとどまらず政治的・軍事的な考察がかなりしっかりしています。人間関係や登場人物の心境の変化も面白く、かなりオススメです。

空母いぶき (1) (ビッグコミックス)
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2015-09-30


空母いぶき (11) (ビッグコミックス)
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*2018.12.6 追記

政府は、今後5年間の防衛政策の指針を定める防衛大綱に次の事柄を明記するとのことです。

・F35Bの新規導入
・護衛艦いずもの空母化

つまり、この記事の内容が実際に行われようとしています。

本項では「いずも空母化」は効率的な戦力増強とは言えない、としました。

たしかに、アメリカのように空母を紛争地域に派遣して艦載機で敵戦闘機を排除・制空権確保といった用途であれば戦力としてはかなり不足しています。
しかし、島嶼奪還作戦における"地上支援"(空対地ミサイルで敵の上陸部隊を殲滅する)という意味では、かなりの戦力として期待できます。
さらに、実際の戦争では中国の中距離弾道ミサイルや巡航ミサイルによって航空自衛隊の大規模滑走路は使用不能となることが容易に予想できます。
このような場合には、地方の小規模滑走路や「移動できる」いずも型護衛艦の滑走路から戦闘機を離着艦できるのは、かなり有用だといえます。

政治的な意味合いでも、甲板上に戦闘機を並べた空母もどきを、諸外国に寄港させたりすることで日本のプレゼンスを強化することが可能となります。

これらのことを総合的に鑑みれば、いずもの空母化はある意味で有用だと言えるのかもしれません。


航空自衛隊にも導入された最新ステルス戦闘機"F35A"の実力とは!?

ついに航空自衛隊にも配備された最新鋭ステルス機

 

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F35A (航空自衛隊)

 

2018年1月26日、航空自衛隊三沢基地(青森県)に自衛隊初のF35A戦闘機が配備されました。

 

F35はアメリカやその他数カ国で国際共同開発された最新鋭のステルス戦闘機で、空対空戦闘はもちろん、対地攻撃や電子攻撃能力(敵のレーダーを無効化するなどの能力)までも兼ね備えています。

 

航空自衛隊には今のところ、F4EJ改(ベトナム戦争の頃に製造された戦闘機)の更新としてF35Aが42機三沢基地に配備される予定です。

 

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F4EJ改(航空自衛隊)

 


F35はF22の劣化版なのか?


F35はしばしば、"F22の劣化版"といった言われ方をすることもあります。

 

F22とは言わずも知れた、アメリカ空軍が誇る世界最強の戦闘機です。非常に高度なステルス性能、高い空対空攻撃能力と運動性能を持ち、他機種を引き離しています。

 

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F22(アメリカ空軍)

 

その高性能さ故に、アメリカ政府はF22戦闘機を輸出禁止としてしまったほどです。

 

日本政府も当初、F22の導入を希望していましたが、アメリカ政府がこれを認めなかったためやむなくF35を選定したという経緯があります。

 

しかし、F35はF22に劣っているということは決してありません。たしかに、F22の高い機動力はF35のそれを凌駕するでしょう。それではなぜ、機動力に劣るF35がF22に劣っていないと言えるのでしょうか?

 


現代の戦闘機に求められるものは情報処理能力とレーダー・ミサイルの性能

 


ステルス機VS非ステルス機の空中戦は、我々が想像しがちな飛行機で追いかけ合う戦い(いわゆるドッグファイト)はあまり行われないでしょう

 

今や、戦闘機の強さを決めるのは、情報処理能力ネットワーク能力レーダー能力ミサイルの性能なのです。(もちろん機動力も大切ですが。機動力の必要性については後述)

 

"ファーストルック、ファーストショット、ファーストキル"

 

これはこれからの戦闘機に求められる能力、すなわち「相手より先にレーダーで敵を見つけ、相手より先に敵にミサイルを撃ち、相手より先に敵機を撃墜する」という能力です。

 

これらには高性能なレーダーと、高性能なミサイル、僚機との情報共有や戦術処理のための高度な情報能力が必要なことが分かるでしょう。

 

F35は高度なステルス性能と、情報処理能力を武器に相手が非ステルス機ならば、遥か彼方から敵機を一方的に撃墜することができるのです。

 

しかし、相手がステルス機の場合はどうなるのでしょうか?

 


ステルス機VSステルス機

 


近年、各国でステルス戦闘機の開発が進められており、中国では国内向けのJ20、輸出向けのFC31[J31]、ロシアではSu57などが開発されています。


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J20(中国人民解放軍空軍)


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FC31[J31](中国瀋陽飛機工業集団)


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Su57(ロシア空軍)


これらのステルス機同士の戦いはどのような様相を見せるのでしょうか?

 

ステルス機同士ではお互いがレーダーに映りにくいので、気づかずに至近距離まで相手に接近してしまう可能性があります。

 

こうなったら機動力(運動性能)の高い方が勝つでしょう。

 

これを避けるためには相手をなんとしてでも見つける必要があります。

 

そこで、高度な情報能力高性能レーダーが必要となるのです。

 

そもそも、ステルス戦闘機は相手からのレーダー波を様々な角度に反射し返すことによって相手に探知されにくくしたものです。

 

ですから、味方の戦闘機のレーダーの情報を高度な情報能力で統合して処理すれば単機の場合よりずっと敵機を見つけやすくなるでしょう。

 


F35は3種類ある 


次に、F35の種類を見てみましょう。F35にはA B Cの3つのタイプがあります。

 

A型:通常仕様の空軍タイプ

 

B型:より短い滑走路での短距離離着陸や垂直離着陸可能な海兵隊仕様のタイプ

 

C型:空母艦載機用でカタパルトを使用して発進する海軍仕様機

 


A型はすでに自衛隊も導入を決めている空軍仕様機です。C型はアメリカ海軍の空母の艦載機となる予定で現在配備中のF/A18戦闘攻撃機の後継となります。


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F/A18(アメリカ海軍)

 

さらに、これらのうちのB型はA型に加え、自衛隊に導入される可能性もあるのです。なぜでしょうか?

 

*追記 航空自衛隊へF35Bを42機導入することが決定しました。



航空自衛隊・F35導入計画の全貌が判明!運用方法や機数など!

http://milita15.blogo.jp/archives/13977818.html




短距離で離着陸できる意義

 


有事の際に、もしも自衛隊基地や主要空港の滑走路が弾道ミサイルや敵の破壊工作で使用できなくなったらどうでしょうか。

自衛隊は戦闘機を使えなくなってしまうのです。そこでF35Bの出番となります。



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F35B(アメリカ海兵隊)

 


普通、戦闘機は離着陸に3000m級の大型滑走路が必要ですが、そのような滑走路を有する空港や基地はあまり多くありません

 

もし、F35Bを導入できれば、わずかな距離(数百メートル)もあればフル武装で十分離陸可能です。例えば小さな離島の空港も利用可能となるのです。すなわち、戦闘機を運用できる場所が増えて、より柔軟な作戦が可能になります。

産経新聞によれば、F35Bを新田原基地(宮崎県)に配備することを検討しているようです。

 


自衛隊への空母導入も

 

*追記   :護衛艦いずもを改修して、F35Bを搭載可能にすることが決定しました。


【速報!】護衛艦いずもの空母化(F35B搭載)がほぼ決定!「多用途運用母艦」!

http://milita15.blogo.jp/archives/13647795.html




複数の報道機関によれば、日本政府はF35Bを海上自衛隊が保有するいずも型護衛艦に搭載することを検討中といいます。


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いずも(海上自衛隊)

 


いずも型護衛艦は最新のヘリコプター空母で、現在 "いずも" と "かが" の2隻が就役しています。基準排水量19500t満載排水量27000tの巨大なそれらは、理論的にはF35Bを十分に搭載可能です。

 


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SH60対潜哨戒ヘリコプター(海上自衛隊)

 


しかし、いずも型護衛艦は元々、対潜哨戒ヘリコプターを載せるために建造されたものなので、F35Bを載せてしまうと敵潜水艦の探知能力が低下してしまうのではといった懸念もあります。

 

さらに、B型はA型と比べて割高であることや、現行の憲法9条との兼ね合いもあり現実的には様々な困難が伴いそうです。

 

余談ですが、東京新聞の報道によれば、日本政府はF35Bを搭載可能な全く新しい強襲揚陸艦の建造も検討しているとのことです。



【関連記事】

http://milita15.blogo.jp/archives/7087158.html

護衛艦いずもは"空母"となるのか?」


追記:2018.11.27

 護衛艦いずもの飛行甲板を改装して、F35Bを導入する方向でほぼ決定のようです。詳しくはコチラ

http://milita15.blogo.jp/archives/13647795.html

【速報!】護衛艦いずもの空母化(F35B搭載)がほぼ決定!」



F35の追加導入の可能性

 


先程述べた通り、既に導入が決定している42機分のF35AはF4EJ改の更新用ですが、一部の旧式化したF15JもF35Aで入れ替えられるのはほぼ間違いないでしょう。



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F15J(航空自衛隊)

 


現在、航空自衛隊に配備中のF15Jは約半数がpre-MSIPという旧式機です。pre-MSIP機は機内配線があまりにも旧式のため、これ以上の改修には限界があるためF35Aを追加調達することで更新するでしょう。その場合、航空自衛隊のF35Aの調達機数は100機を超える数になります。

 

F35はエンジンが単発であり、双発のF15と比べてエンジントラブルに弱いという側面がありますが、アメリカがF22の輸出禁止に加えて、製造を打ち切ってしまった今、選択肢はF35Aしかないのが現状です。


追記:2018.11.28

F15J pre-MSIPはF35A約100機の追加購入による更新でほぼ決定のようです。

詳しくコチラ。

http://milita15.blogo.jp/archives/13666731.html

自衛隊にF35A戦闘機を100機追加調達へ!トランプ政権とは無関係!」

 


F35の今後とこれから


 

F35は各国に配備が始まっていますが、開発がこれで終了したわけではありません。

戦闘機に限らず、艦船やミサイルもそうですが、現代の兵器ではソフトウェアが非常に重要です。コンピュータのようにソフトウェアを書き換えることで様々な機能を追加可能なのです。

 

さらに、そのソフトウェアは段階的にグレードアップされていくのです。

 

例えば、F35Aの初期型のソフトウェア(ブロック3i)では、機関砲も運用できませんが、空自に引き渡されるF35Aには機関砲や短射程ミサイルが運用可能なソフトウェア(ブロック3F)が、さらに2019年にはさらに高機能なソフトウェア(ブロック4)が完成予定です。

現代兵器はこのようにして、ソフトウェアのアップグレードによって順次機能が追加されるのです。


もちろん、ソフトウェアの更新だけではなく、ハードウェア(機体や設備)の更新も重要です。


具体的には、配備当初、かなり悪評が立った航空自衛隊のF2戦闘機があります。

F2は、登場時に、戦闘機では世界で初めてのAESAレーダー(J/APG-1)を搭載しましたが、初期段階では不具合を頻繁しました。


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F2戦闘機


しかし、現在は新しいレーダー(J/APG-2)への換装も完了して、バージョンアップしていますし、新型の空対空ミサイル(AAM-4)の運用能力も獲得して、登場時とは比べられないほどの進化を遂げています。



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AAM-4



また、F35は高い対地攻撃能力を持つことも特筆すべきです。


戦後しばらくの間、"対地攻撃能力"は侵略的で、専守防衛には必要がないと考えられてきました。例えば、F4戦闘機は、自衛隊への導入時に爆撃コンピュータを取り外して導入されました。


かつて、ここまで敏感だった日本が、遂にF35によって本格的な対地攻撃能力を手に入れることになるのです。


【関連記事】

http://milita15.blogo.jp/archives/7008511.html

日本の弾道ミサイル防衛の仕組み!敵基地攻撃能力とは?」



将来的には、航空自衛隊が導入する巡航ミサイル"JSM"(射程500km超)も搭載する予定です。

 

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巡航ミサイル"JSM"

 


さらに、F15Jを"ミサイルキャリアー"に改修して、F15改修機がステルス機であるF35の後方を飛んで安全圏から大量の空対空ミサイルを発射する、といった作戦も想定されているようです。


*F15に関しては改修等の話も含めて記事にする予定です。

 

*F15のミサイルキャリアー化については、ボーイング社がアメリカ空軍に"F15 2040C"として提案した改修案を航空自衛隊にも提示したとのことです。

 

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F15 2040C

 

ここまで、F35に関して、浅く広くご紹介させて頂きました。

 

まだまだ発展途上のF35、将来の活躍に期待しても良さそうです。

 

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