中国は近年、空母機動部隊の整備に躍起になっており、現在では空母2隻を保有しています。
しかしここに来て、中国の空母機動部隊整備計画は艦載機「J-15」の重大な欠陥に行く手を阻まれているのです。
丸パクリ"劣化コピー"のJ-15!?
そもそもJ-15とはどのような航空機なのでしょうか?
結論から言うと、この機体はロシア製艦上戦闘機Su-33の劣化コピーです。特にエンジンの信頼性が低く、出力も不足していることが問題視されています。
経緯を順番に説明します。まず、コピー元であるSu-33は、ソ連が開発した制空戦闘機Su-27(F-15にも匹敵する性能を誇る)の艦載機バージョンです。それではなぜ、そのような機体を中国はコピーすることができたのでしょう。
今から約20年以上前、ソ連崩壊後の混乱の中、10機製造されたSu-33の試作型のうちの1機(T-10K-7)がウクライナへ譲渡されました。そして2007年に中国はT-10K-7をウクライナから購入、機体を丸ごとコピーする形でJ15を開発したのです。
ところが、中国は手に入れた機体を分解して部品をコピー・再度組み立て(いわゆる、リバースエンジニアリング)を試みますがエンジンのコピーに失敗してしまいます。
というのも、航空機の中でもエンジンには組み立て技術だけでなく高度な素材技術が要求されます。ジェットエンジンは極めて高温になるために、高温下でも十分に強度を保てるだけの素材を用意する必要がありますが、中国の未熟な冶金技術ではそれが不可能だったのです。
ちなみに以前までは日本も例外ではなく、前回の戦闘機開発(F2開発)で国産の高出力エンジンを開発できませんでしたが、つい最近、やっと念願の国産高出力エンジン(XF9-1)開発に成功しました。
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もちろん、中国は"本家"であるロシア製Su-33を輸入しようと交渉を行ったこともありましたが、今度は別の中国製戦闘機「J-11」がまたもやロシア製Su-27を違法にコピーしたとのロシア側からの指摘を受け、その交渉は決裂してしまいました。
J-11
無理やりコピーエンジンを搭載するも、性能不足で「エンジン共食い」...
当初、中国はロシア製エンジンであるAL31Fをコピー・改良したWS10HをJ15に搭載しようとしました。
しかし、前述の通り中国はエンジンのコピーに失敗したため、WS10Hは出力が足りないうえに信頼性にも劣るという理由で量産機には搭載できませんでした。
そこで、中国は以前にロシアから購入したSu-27に付いていたAL31FとWS10Hを交換することによって解決しようとしましたが、これも失敗してしまいます。
十分なメンテナンスを受けられていないAL31Fは性能が落ちてしまっているため、只でさえ出力が弱いこのエンジンの出力不足はより深刻になってしまいました。
出力不足でフル武装で発艦できないJ15
中国の空母はアメリカの空母のようにカタパルトと呼ばれる、離陸時の機体を急加速させる装置を採用していません。
スキージャンプ台方式と呼ばれる、艦首の飛行甲板をせり上げるような形にすることで離陸を補助する構造は採用していますが、この方式では離陸可能重量にかなりの制限が加わるために十分な武装を携行できません。
スキージャンプ台方式の飛行甲板
その上、エンジンの出力も足りないので、J15はほぼ丸裸で離陸することはできても実戦ではあまり使い物にならないのではと言われています。(ただし、機体の燃料を少なくして武装を積んで発艦した後に空中給油を受ける、という運用なら可能ではあります。)
艦上戦闘機の新規開発を目論む中国
これからの戦闘機の主力は徐々に第5世代と呼ばれるステルス戦闘機に変化してきています。
艦載機も例外ではなく、アメリカ海軍では従来のF/A-18をF-35C(ステルス機)に置き換える計画で、すでに空母での試験運用に成功しています。
F/A-18
中国海軍は、中国の企業が自主的に開発した「FC31」と呼ばれるステルス戦闘機を艦載機にする計画を進めているようです。
ちなみにFC31も、ハッキングにより盗み出したF35の設計図を元に開発されたと言われており、その証拠にFC31とF35の外見はあまりにも似通っています。
とにかく、中国海軍は既にJ15に見切りをつけており、新規のステルス艦載機を開発しようとしているのです。
China.org.cn より
これはやはり西側諸国にとってかなりの脅威であると感じざるをえません。とにかく、日本も中国と互角というのは無理な話ですが、自国を守れる程度には軍事的な備えが必要なでしょう。
ここまでお読みいただきありがとうございます。もしも新しい情報が判明しましたらこの記事を書き足すか、新しく記事を書き直そうと思います。