2018年1月、最新の国産空対艦ミサイルである"ASM3"の開発が完了したと報道されました。

ASM3の特徴

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ASM3

ASM3は、従来の空対艦ミサイルよりも大幅に性能が向上しており、F2戦闘機での運用が想定されています。最も特徴的なのは、その飛翔速度で、マッハ3以上だと考えられています。この速度により、敵がミサイルに対処する時間を大幅に減らすことができるため、迎撃される可能性を小さくすることに成功したのです。

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F2戦闘機

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ASM3を発射するF2戦闘機


ASM3の試験発射の様子

さらに、このミサイルはステルス形状と海面スレスレを飛行する能力によって敵に探知されにくい上に、ミサイルを発射した戦闘機が目標まで誘導する必要もないため、発射母機はミサイル発射後にすぐに反転して戦闘海域を離脱可能で、安全性も大幅に向上しているのです。



増大する中国の脅威



中国は近年、海軍力の増強を続けていて、中国海軍に配備された駆逐艦"052型"や"054型"はイージス艦にも匹敵する対空戦闘能力を持つとも言われています。そのため、従来の亜音速対艦ミサイルでは中国に優位を保つのが難しくなっている上、旧東側陣営は命中率が低いと言えども超音速対艦ミサイルを配備していて、西側陣営は遅れをとっていると言わざるを得ませんでした。(台湾を除く。)

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052D型フリゲート

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054型フリゲート

このミサイルは、西側陣営(特に日本)の東側陣営(特に中国)に対する前述の遅れを巻き返すばかりか、日中の海軍力のバランスを変え得るほどの大きな意義があるのです。



高性能対艦ミサイルのコスパの高さ

中国は"中華版イージス"だけでなく、空母の配備も進めており、空母機動部隊作りに躍起になっています。最初に配備された"遼寧"はウクライナからスクラップ寸前のボロ船を購入、空母に改修しただけのシロモノでそこまで大きな脅威にはなり得ませんでした。

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遼寧

しかし、それはもう昔の話です。現在の中国はスキージャンプ台方式の国産空母001A型航空母艦に加え、カタパルト方式の国産空母002型航空母艦の建造も進んでいます。

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001A型航空母艦

このような超高価な空母を1発数億円のミサイルで海の藻屑と化できてしまうという点で、高性能対艦ミサイルは極めてコストパフォーマンスに優れていると言えるのです。



まとめ



共産党の独裁国家である中国は、ほぼ無制限に軍事費を使うことができますが、日本は毎年決められた額の予算しか防衛にかけることができません。さらに経済規模で中国に大きく劣る上、人件費の高い日本が正面装備で中国と軍拡競争をしたところで勝てる見込みはほぼ0でしょう。日本はこれからの国防で、今まで以上に効率と費用対効果を考える必要があるのです。